セミナーや会社説明会、表彰式などイベントを開催するためには様々な費用が発生します。イベントによって必要となる費用は異なりますが、ここではイベントを初めて企画・開催することになった方向けに項目別に必要となる費用を解説いたします。
1.イベント運営費の各項目
会場レンタル費
「会場レンタル費」は会場そのものを利用するためにかかる料金です。
会場の立地や利用時間、規模、設備、ブランドによって大きく会場費は異なります。
利用時間はイベントの規模にもよりますが、準備・受付・撤収の時間を考慮して、最低限実施時間の前後1時間は多くとっておきましょう。(例:3時間のイベントの場合、5時間は予約しておきましょう)
準備日や撤収日と本番日で料金が異なる会場もありますし、会場費の算出ルールを独自に設定している会場もありますので、営業担当の方に確認しましょう。
注意点は立地を見ずに費用だけで決めてしまうと、大変分かりづらい場所に会場がある、または周辺の環境が良くないなどがありますので、必ず現地を下見しに行くか最低限Google map等の地図アプリで確認をするようにしましょう。
また、イベントによっては本会場の他、控室やホワイエを借りる必要が出てきますので、実施したいイベントによってどこまで借りる必要があるかを想定しておきましょう。
相場は地域や設備でまちまちですが、都内の会場であれば概ね50名規模で1時間あたり2万円~、200名規模の場合は1時間あたり10万円~で利用可能です。
備品レンタル費
備品レンタル費はイベントを実施するにあたって必要となる備品のレンタル費です。
例えば、机や椅子、プロジェクター、マイクやスピーカーなどの音響設備、照明などがこれに該当します。
もともと会場レンタル費に含まれている場合もあれば別途必要なこともありますので必ず確認し、必要なものは別途レンタルしましょう。
また、設備にこだわる場合は各設備のスペックも確認しましょう。
例えばプロジェクターの明るさ「ルーメン」は投影資料の見やすさに大きく影響しますので、ここも費用だけで決めてしまわないようにしましょう。
見落としがちなのは、機器の接続プラグなどのレンタルです。
例えば、持ち込みPCとレンタルしたプロジェクターの接続プラグが異なり、接続できなかったということもありますので事前に確認をしておきましょう。
当日貸して頂けることもありますが在庫がないこともありますので、当日になってこんなはずではなかったと後悔しないように確認することをオススメします。
その他、備品レンタルとは異なりますが、状況によって飲食物を提供する場合は、実費分はもちろんのこと持ち込み料や廃棄料・清掃料がかかる場合があります。※提供できない場合や指定業者がある会場もあります
また、会場によっては当日使用した光熱費なども請求されることがありますのでこちらも事前に確認をして会場に見積もりをしてもらいましょう。
機材レンタル費
機材レンタル費はイベント会場に備え付けられていない物品を用意する際にかかる費用です。主に撮影機材やモニター、スイッチャー、看板、パーティションといった電子機器類や大型設備などがこれに該当します。(例:物にもよりますが透明パーティションは1枚5,000円~)
レンタル料金は1泊2日、2泊3日と期間で設定されることが多いです。例えば4/1、4/2とイベントで2日間使用し4/3に返却した場合、2泊3日の料金がかかります。
また、3/31が準備日で4/1が本番日・撤収日であった場合も2日間使用となります。さらに機材によっては二月に跨りますので、2か月分の費用がかかる場合もあります。
最低料金も会社によって異なるため、1泊2日の利用でも2泊3日分の料金がかかることもあります。レンタル利用時は、期間だけでなく最低料金もチェックしましょう。
なお、機材レンタルには機材の運搬費、貸出時の一時保証金、機材の不具合・故障・破壊が生じた時の補償サービス等、機材のレンタル料金以外にも別途費用がかかることがあります。
備品や機材の大きな注意事項として、会場備品を使用する場合、備品に問題が発生した場合は会場が対応する形になりますが、機材レンタルの場合その責任は会場にはなくなりますので、主催者側で対応することになります。
イベント運営のための人件費
イベント運営のための人件費は、運営にあたり必要となる人材にかかる費用です。
代表的な役割は接客する受付や会場案内、時間管理する進行役、照明・音響の操作などです。(例:運営スタッフは派遣の場合3時間で1万2500円~)
また、音響・照明・映像関連の備品についてですが、会場備品を利用する場合、会場に操作スタッフの手配を依頼することができますが、持ち込み機材の場合は主催者側で操作スタッフを用意する必要があります。
人件費は、勤務時間が早朝や深夜に及ぶ場合、または遠方で宿泊を要する場合において別途料金が加算されることもありますので事前に確認をしましょう。
また、イベントでは想定外のことが起きることが多いです。そんな事態に備えて、一般スタッフとは別に中心となって指示・行動できる現場責任者を必ず役割ごとに配置しましょう。
現場責任者は自社の社員で賄うか、イベント運営会社に所属する経験値の高いスタッフを手配すると安心です。(例:ディレクター・AD3万円~)
■ 関連記事:イベント受付の重要性|イベント準備・当日受付の役割とポイント
講演料
講演料とはイベントに登壇する講演者へ支払う費用です。
手配の方法は登壇してほしい人に直接依頼をするか、講演者を派遣する代理店に依頼をするかの2択が代表的です。
代理店に依頼する場合は予算と目的、希望する講演テーマを伝えて手配することが一般的ですが、ご指名の登壇者がいる場合は代理店のホームページを見ることでおおよその依頼金額を把握することができます。
ただし、記載されている金額は講演に関する費用のみとなっているため、交通費や宿泊費など別途かかる費用も事前に確認しておきましょう。(※講演者の活動拠点によって条件が異なります)
講演料の相場は様々ですが、代理店に依頼する場合は10万円~200万円以上となります。
また、企業の方に直接依頼する場合の相場は3万円程度です。
(企業によっては金銭を受け取りできないポリシーが設定されている場合がありますので、謝礼を支払っても問題ないかは依頼時に確認しましょう)
イベント集客のための広告・宣伝費
イベント集客のための広告・宣伝費は、参加者を集客するために必要となる費用です。
集客方法はターゲットによって変える必要がありますが、チラシや案内の郵送等をするオフライン集客とSNSへの投稿やインターネット広告を用いるオンライン集客があります。
広告・宣伝費を決めるときのポイントは、集めたい目標集客人数から逆算して、集客手段別の反応率をもとに算出することです。
例えばチラシを100枚配布したとしても100人が集まるわけではありません。10人集まればかなり良い方でしょう。
そのため、何人集めたいのか、集客手段は何か、その集客手段の反応率は何%かを考えて予算を設定します。
■ 関連記事:イベントの効果的な集客方法|集客の準備からアイディア・事例を紹介
【20人集客したいイベントの場合】
集客手段として「知人紹介」「チラシ郵送」「SNS広告」の3つを用いるとします。
そして、集客目標をそれぞれ「知人紹介」で5人、「チラシ郵送」で5人、「SNS広告」で10人と設定した場合、費用の算出方法としては以下となります。
「知人紹介」
こちらの方法では原則費用はかかりませんがイベントを紹介するためのチラシ制作費や印刷費等は考慮しましょう。
何枚印刷するかは目標とする5人を集めるために何枚配布すべきか、で考える必要があります。
例えば5人集めるために20人に声かける必要があれば、チラシ1枚の印刷費を10円として200円必要だということが分かります。
また、チラシ制作費は自身で作成する場合は必要ないですが、外注する場合は3万円~を追加で考慮しましょう。
「チラシ郵送」
チラシの郵送では、制作費、印刷費、郵送費を考慮しましょう。※「知人紹介」で制作している場合は流用できればしても良いでしょう
何枚郵送するかは、集客目標とチラシの反応率から逆算します。一般的な反応率は1%ですので、この反応率を用いて計算すると5人集めるためには500枚郵送する必要があることが分かります。
印刷費1枚20円、郵送費1枚80円とすると、20円×500枚+80円×500枚=5万円かかることが分かります。
「SNS広告」
SNS広告(クリック課金の場合)においてクリック後の反応率(申込率)を5%とした場合、10人集めるには200クリックされる必要があります。
1クリック100円とした場合、100円×200クリック=2万円かかるということが分かります。
これらを合計すると、「知人紹介」で200円、「チラシ郵送」で5万円、「SNS広告で」2万円の合計7万200円となることが分かるでしょう。
※ここでの数値は分かりやすくしたものですので、反応率やそれに伴う費用についてはご自身のイベントに合わせて計算してください
■ 関連記事:効果的なイベント告知方法とは?|イベント集客・成功に導く告知のポイント
販促品費
販促品とは、販売の促進、セールスプロモーションをするためのノベルティグッズのことです。
グッズにイベント名やロゴを入れることでイベントの知名度アップや来場者のロイヤリティアップが期待できます。
販促品の相場は発注数や制作物により異なりますが、ボールペンであれば1本当たり30円~、エコバッグやウェットティッシュは100円~、ハンドタオルは150円~制作できます。
今人気のステンレスタンブラーであっても1本300円程度で制作できます。
注意点は最小発注数(最小ロット数)が決められている場合があるので、事前に確認をしましょう。
2.イベント運営費を抑えるためのコツ
全ての要素において納得いくものが準備できればベストですが、予算が限られている場合は妥協するべきポイントも出てきます。イベントの目的に応じて比重を置くポイントを決めていきましょう。
運営費において出費の割合が大きくなるのが会場費です。
会場の立地やスペックによって異なりますので、実施するイベントと会場スペックが釣り合っているかを確認しましょう。
また、会場の予約日も重要です。イベントにも繁盛期と閑散期がありますので状況によっては価格交渉できる場合もあります。(通常よりも1~3割ほど安くなる可能性があります)
なお、早割等を設定している会場や複数日程予約することによって割り引いてもらえる場合もありますので、自身のイベントで割引が適用できるか確認しましょう。
備品や機材のレンタル費も見直しができるポイントです。
本当にイベントに必要な備品なのか、スペックは適切かを考慮してレンタルしていきましょう。
仮に本当に必要なものであっても会社の備品やスタッフの所持品を使うことで支出を抑えることができます。※持ち込み料がかからないかは会場に確認しましょう
人件費も見直しできるポイントです。
運営スタッフ1人当たりにかかる費用は、派遣会社からの派遣スタッフは交通費、昼食代を含めた日給でおよそ1万5000円、ボランティアの場合は交通費、昼食代でおよそ2000円が目安となります。※他にも運営委託という方法があります
ただし、人件費を削減するとイベントの質に悪影響が出る場合があります。
仕事に対する責任感の薄さや急な欠員が生じて役割が機能しなくなるといった懸念もありますので、慎重に判断しましょう。
失敗したくないと思うイベントであれば、イベントに精通したプロフェッショナルが所属する運営会社に委託することがベストです。
3.イベント運営は事前に費用を確認してから
今回はイベントの運営費の相場や考え方についてご紹介しました。
イベント開催には様々な費用が発生します。曖昧な予算設定で準備を始めると、準備を進めていくうちに想定外の出費がかさんでいき、予算超過または赤字にということにもなりかねません。
イベントの費用は企画などの初期段階で予備費も含めて細かく算出し、準備を進めると良いでしょう。
Event Bundleでは運営・集客・スタッフ派遣・備品のレンタル等、予算に応じてあなたに最適なイベント運営プランをご提案します。
初めてで分からない方はもちろんのこと、イベントのプロフェッショナルに依頼したいという方はぜひお問い合わせください。お待ちしております。