2020年4月頃からオンライン配信を用いたイベントの開催が徐々に増えはじめてきました。
オンライン配信においてはライブ配信と撮影済みのコンテンツを配信する方法があります。
ここでは主にライブ配信の方法を初心者の方向けに解説致します。
1.オンライン配信のやり方
イベントをオンラインで配信しようと決めた際、何を準備したら良いのでしょうか。
多くの人は、まず手始めに機材やオンライン配信サービスを何にしたら良いかというハード面を検討すると思いますが、最初に整理したいのがイベントの情報整理です。
具体的には、イベントで何を実現したいのか?参加者にどんな体験をしてもらいたいのか?どのような結果を求めているのか?という部分です。
ここを疎かにすると、例えば、イベント主催側と参加者側の双方向のコミュニケーションを期待しているにも関わらず、選択した配信サービスではコミュニケーションが取れないなどということが発生してしまいます。
ですので、簡単にでも良いので情報を整理しておくことをオススメします。
情報を整理したあとは実際にオンライン配信に向けて準備をしていきます。
コンテンツがある前提で、配信までの大まかな流れは以下となります。
- オンライン配信サービスの選定
- 配信に必要な機材の準備
- (配信場所の)配信環境の確認
- 配信手順の確認とテスト配信
- 本番
これら順番に沿って配信本番を迎えることになります。
特にオンライン配信が安定してできるかどうかは配信場所のインターネット環境に左右されますので、最低限インターネット回線が配信に耐えられるものかは事前に確認しておきましょう。(有線LANを繋げての配信をオススメします)
また、ぶっつけ本番で配信を行うと思わぬ事態が起こる可能性がありますので、必ずテスト配信をするようにしましょう。
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2.オンラインイベントなどオンライン配信向けのサービス
オンライン配信向けのサービスは様々ありますが、一体どれを選んだら良いかわからないという方も多いと思います。
イベントを双方向のコミュニケーションのある参加型にするのか、配信のみにするのかによっても良いサービスは異なります。また、制限時間が設けられているサービスもあるため、事前にチェックが必要ですので、用途に合わせて検討するようにしましょう。
YouTube
動画配信サービスのYouTubeが提供するライブ配信アプリ「YouTube Live」。
YouTube Liveの最大のメリットは無料利用できるにも関わらず同時視聴者数に制限がないことです。不特定多数に対してイベントをライブ配信したい場合は絶好のサービスと言えます。
ただし、チャット機能はあるものの双方向のコミュニケーションには適しておらず、インタラクティブなイベントを実施したい場合には不向きなサービスとなります。
なお、チャンネル登録者数が1,000人に到達すると、スマホからのライブ配信や「スーパーチャット」と呼ばれるシステムの利用が可能になります。
また、ライブ配信後にアーカイブができるため、映像を残すことも可能です。
Zoom
ビデオ会議システムとしてZoomは高いシェア率を誇っています。
Zoomは有償版で最大1000人、無料版でも100人まで参加できるサービスです。
主催者が招待URLを発行すれば、すぐに参加でき、参加者は指定の時間に招待URLをクリックするだけでアクセスできる手軽さがあります。
また、パスワードをかけることで、主催者側が認知していない人からの参加を防ぐことができます。
なお、エンタープライズ版ではウェビナーの開催が可能で録画もでき、チャットやルーム機能を搭載するなど双方向のコミュニケーションにも適しています。
対応デバイスもパソコン、タブレット、スマートフォンと様々なデバイスに対応しています。(Windows/Mac対応)
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは無料アカウントで同時に300名まで接続可能なツールです。セキュリティ面も高く、信頼感があります。
しかし、無料アカウントの場合は連続60分間までしか使えないのと、1つの画面に「最大4名まで」しか表示されないため、主催者と参加者の双方向のコミュニケーションを求める場合には不向きでしょう。
2021年1月現在の時間の制約はMicrosoft 365 Business Basic(540円/月)やMicrosoft 365 Business Standard(1,360円/月)を利用すれば最大連続24時間配信できるようになります。
また、Office 365 E3(2,170円/月)を利用することで連続24時間、参加者10,000名のオンラインイベントの開催も可能です。
Cisco Webex
Cisco Webexは無料アカウントで同時に100名まで接続可能なツールです。
リリース当初は「ブレイクアウトセッション」などの機能が無いなど、他のツールと比べて機能面において見劣りしていましたが、最近では無料アカウントであっても「ブレイクアウトセッション」の機能が追加されるなど充実してきました。
更にはWebex Eventsというサービスもリリースされ、3,000名までの規模のオンラインイベントにも対応できるようになり、より使い勝手も良くなりました。
ただし一方向での対応になりますので、双方向のコミュニケーションを用いたイベントを開催したい場合はWebex Meetingsを利用することをオススメします。※同時接続は1,000名まで
ニコニコ生放送
ニコニコ生放送は株式会社ドワンゴが運営する動画配信プラットフォームです。
登録会員数はID発行ベースで約8,300万人、月間のアクティブユーザー数を示すMAUでも約2,000万人が利用しているサービスです。
アクセス数は土日が多く、時間帯にすると20時~0時が最も多くなる特徴があります。
パソコンをメインとして配信しているのも特徴で、コメントなどを書き込めるため、双方向のコミュニケーションを取れるのも良い点でしょう。
ただし、ビジネスとして利用をしている人は多くないため、BtoBのイベントには不向きです。
3.オンラインイベントなどをオンライン配信で事前準備が必要な機材
イベントをオンライン配信すると決まれば、あとは必要な機材を準備していくことになります。
オンライン配信と言っても、その目的や配信方法によって必要となる機材は異なりますので、目的に応じて機材を準備しましょう。
オンライン配信において必要となる機材はざっと以下のものです。
- 配信用PC
- 有線LANケーブル
- ビデオカメラ
- マイク
- スイッチャー
- 音声ミキサー
- XLR(キャノン)ケーブル
- 照明
- モニター
- 延長コード
- USBハブ
これらは、どのような品質の動画を配信したいかによっても必要・不必要が異なります。
例えばPC内蔵カメラで配信する場合は、ビデオカメラは必要ではなくなります。
ご自身のイベントの配信にどの機材が必要か否かは、要件定義をすることによって知ることができます。
要件定義するためには、
- 一方的な配信か?双方向の配信か?
- 配信用カメラは何台必要か?
- PCは配信用や講師用、サブ等何台必要か?
- 投影資料や動画はあるか?どのPCから配信するか?
- 同じ空間に登壇者は何名いるか?
- マイクは何を使用するか?
これらの情報を整理しておく必要があります。
外部の業者に依頼する際にも情報整理しておくと余計な費用や工数がかからずスムーズです。
▼参加者への告知
配信方法と機材が決まれば、あとはイベントを告知することになります。
集めたい参加者によってSNSやメルマガを利用するのか、自社のWebサイトを活用するのか、告知媒体を決めましょう。
オンライン配信のイベントは一般的になってきたものの、まだ慣れない方もいらっしゃいます。
その方のために、参加方法(接続方法等)やその他注意事項、万が一繋がらないときのサポート体制等を告知とともに周知しておくと当日スムーズに開催できます。
■ 関連記事:イベントの効果的な集客方法|集客の準備からアイディア・事例を紹介
4.オンライン配信でできること
「2.オンライン配信向けのサービス」内でも少し触れていますが、オンライン配信でできることとして「参加者との双方向コミュニケーション」「配信の録画」ができます。
イベントを実施する上で実現したいことを整理した上で参加者と双方向のコミュニケーションを取りたいとなった場合は、オンライン配信サービスが対応しているか、対応していた場合でも求めるコミュニケーションができるか、を事前に確認しておきましょう。
例えばチャットを用いた双方向コミュニケーションで良いのか、参加者に画面上で出演頂いた上で発言をしてもらいたいのか等、その演出もサービスごとに異なります。
次に、「配信の録画」が簡単にできるというのがオンライン配信の強みになります。
特別な機材を用いることなく、配信サービス内に録画データをためることができ、それを再放送やダウンロード・編集し、他の媒体で配信することも可能です。
ただし、どこまでできるか、録画の質等はサービスごとに異なりますので自身が求める最適なサービスを選択しましょう。
5.オンライン配信で注意すべきこと
イベント実施には様々な注意事項がありますが、特にオンライン配信においては、ならではの注意点があります。ここでは主に3点を解説していきます。
▼インターネット回線の安定性
インターネット回線が安定かどうかは、オンライン配信をする上で必ず押さえなければならない部分です。
回線が安定していないと途中で配信が止まってしまったり、画像や音声が飛んだりします。
それを防ぐためにも必ずインターネット回線の安定性は確認しておきましょう。
特に、Wi-Fiの使用は不安定になりがちですので、有線LANを用いた配信を強く推奨します。
ただし、完璧に準備したとしても当日思わぬトラブルに見舞われるのがオンライン配信です。
そのため、イベント当日とまったく同じ環境を予め準備してリハーサルを行うと良いでしょう。
なお、このリハーサルは最低3日以上前に実施してください。理由はリハーサル時に機材トラブルが発覚した場合、代替機を準備するのに3日程度かかってしまうからです。
もし、機材について不安がある場合は専門の業者に依頼すると安心でしょう。
▼音声の聞き取りやすさ
オンライン配信では音声が聞き取りにくい場合があります。
この部分も事前のリハーサル内で必ず確認しておきましょう。
もし、音声が聞き取りにくいなと感じた場合は以下が考えられますので、合わせてチェックしてみてください。
- インターネット回線の安定性
- マイク本体の質
- マイクと話者の距離
- マイクとスピーカーの距離
- マイクがワイヤレスの場合の電波干渉
また、話者が複数いる場合はマイクの音源をまとめる機能を持つ音声ミキサーの準備は欠かせません。
音声ミキサーではマイクごとに音量調整ができる他、音声ミキサーのスペックによっては音域調整ができますので、話者に合わせて調整をしておくと便利です。
▼配信できる時間
「2.オンライン配信向けのサービス」でも少し触れましたが、配信に用いるサービスによって配信可能な時間の長さが異なります。
特に無料版を用いる際は注意が必要で、40分間や50分間しか連続して配信できないことがあります。
オンラインイベントはイベントそのものの時間だけでなく、開始までの時間や終了後の時間も加味する必要があります。
そのため、イベント自体は30分間だったとしても連続配信40分間のサービスでは心もとないです。
身内のイベント以外は時間に余裕を持って配信できるかを必ず確認しておきましょう。
6.オンライン配信は事前にテスト配信をしておく
ここまでオンライン配信について解説してきました。繰り返しにはなりますが、オンライン配信にはトラブルは付き物です。
当日慌てないためにも、必ず事前(3日以上前推奨)に当日と同じ環境を準備してリハーサルを行ってください。
また、万が一当日トラブルが発生したときの対処法の確認や参加者への案内方法をマニュアル化、準備しておくと安心です。
実はオンラインイベントなどのオンラインでの配信は、プロでも神経質になる領域です。当日に回線、機材トラブルなど様々な問題が起きることを想定して、二重三重の準備をして臨んでいます。
オンライン配信が初めての場合はプロに相談することをお勧めします。
Event Bundleではオンライン配信にも精通したプロフェッショナルが在籍していますので、専門の立場からのアドバイスや準備のお手伝いができます。
事前の打ち合わせから、リハーサル、当日の配信までサポートしますのでお気軽にお問い合わせください。
また、機材のレンタルも充実していますので、手ぶらでオンライン配信したいという場合も是非ご相談ください。
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