イベントなどの主催・共催・協賛・協力・後援の違いとは?団体表記の違いを解説

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イベントでよく聞く「主催」「共催」「協賛」「協力」「後援」といった名称。ビジネスセミナーや見本市、展示会等、各種イベントでは様々な表記が用いられていますが、イベントに携わる方なら違いをきちんと理解し、正しく記載をしたいところです。ここではそれぞれの意味やメリット、具体例に触れながら団体表記の違いをご紹介します。

1.イベントなどを行う上での団体名の表記の重要性

団体名の表記には責任の所在は誰かという意味が含まれています。他団体に支援を依頼する際、ここの認識が両者で一致していないと、不測の事態が発生したときトラブルになる可能性がありますので気をつけましょう。※詳細は後述します。

また、世の中に様々なマナーが存在するように団体名の書き方は主催者側が気をつけるべきイベントマナーのひとつです。法的な拘束力はありませんが、イベントとの関係性を示す団体名の表記のミスは、賛同した団体への失礼にあたると思って気をつけましょう。

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2.それぞれの表記の意味と使用例

ここからは「主催」「共催」等、各表記の意味やメリットを、具体例を用いて紹介していきます。イベントに携わる方はきちんと理解し、使い分けられるようにしましょう。

▼A.主催とは?

主催とは、あるイベントの中心となって主体的に動く団体のことです。イベントの運営や招待ゲストの選定等を中心となって行う企画・実行者であり、来場者の怪我やトラブル等が発生したときに対応が求められる責任者でもあります。イベントにかかる負担や責任は大きいですが、作りたいイベントを自由に作り上げることができることがメリットです。

小規模のイベント例では、会社主催の社内イベントや町内会主催のお祭りが挙げられます。大規模のイベント例では、2019年に開催されたラグビーワールドカップはワールドラグビーという機関が主催しました。

▼B.共催とは?

共催は、主催する団体が2つ以上の場合を指します。イベントへの関与度や責任は主催と同じです。共催のメリットは1団体で開催するよりも運営費や集客費等の費用を抑えられることです。

また、異なる分野のスキルを掛け合わせることで新たなイベントを創出できるというメリットもあります。ただし、それぞれの団体の思惑や事情が異なることで、何かを譲歩しなければイベントの方向性が定まらないという問題が起きやすく、単独で行うよりも自由度を失うことがあります。

具体的な例では、2014年から東京メトロとイベントの企画・運営などを行うSCRAPが両社で共催して開催している「地下謎への招待状」というイベントがあります。

▼C.協賛とは?

協賛とは、イベントの趣旨に賛同した団体が資金や物を提供して広告・宣伝をすることです。イメージや知名度の向上を期待して行うことが多いです。主催側としてはコストメリットがある一方で、協賛する側は多額の資金や商品を用意する必要が出てきます。

主催者側は団体名や団体ロゴをポスターやWeb媒体だけでなく「イベント名supported by団体名」と冠することやブースの展開、特別講演等、様々なオプションを複数の料金プランで提案すると良いでしょう。

協賛団体を探す時のポイントには、イベントの趣旨に強く関連していることやイベント主催者側が求めている物とそれをアピールしたいと考えている団体であるかという部分を意識して探すと良いでしょう。具体的な例では、マラソン大会において協賛企業によるバナナやトマト、あんぱん、スポーツ飲料等が給水所で提供されています。

▼D.協力とは?

協力とは、イベントの趣旨に賛同した団体が場所、情報、人員等を提供して力を貸すことです。金銭的な支援を行う場合もありますが、協賛と比較すると少額です。協力団体は、物品の貸し出し、公共施設の使用許可、ボランティア募集の呼びかけ等、団体の所持品の範囲内でイベントを支援します。利益を追求しない公共性の高い団体等では「協力」といった形で賛同する場合が多くあります。

さっぽろ雪まつりでは1955年頃から陸上自衛隊が参加するようになり、現在では「協力」といった形で携わり、雪の輸送や大雪像の制作、更には音楽隊によるブラスバンド演奏を毎年行っています。その活動はメディアにも取り上げられて、話題になっています。

▼E.後援とは?  

後援とは、団体がイベントの趣旨に賛同していることを対外的に表明することです。具体的には公共施設へのチラシの設置やポスターの掲示、賞状の交付等です。例えば成績優秀者には「文部科学大臣賞」や「厚生労働大臣賞」という賞が贈られるコンテストやコンクールがあります。

また、団体名の使用を承認することも後援のひとつです。主催者側は後援団体の名義がイベントに載ることで、イベント自体やそれらに関連する物の信頼性が上がることを期待しています。そのため、後援となる団体は営利目的の企業ではなく官庁や地方自治体等、報道機関など公共性の高い団体が多いことも特徴です。

▼補足事項

協賛、協力、後援には共通点があります。1つはイベントの趣旨に賛同していること、もう1つはイベントでの責任は負わないことです。しかし、イベントの支援の仕方にそれぞれ差異があります。この点について、もう少し説明します。

協賛は金銭的にも物的にも支援するという意味合いが強くなります。そのため、イベント参加者に対して団体が持つ商品やサービスをアピールしたいという趣旨で協賛するケースが主となってきます。

協力は金銭的な支援というよりは、物的・人的リソース支援の意味合いが強くなります。団体が所持する物や所属する人員を提供することでイベントを支援したいと考える企業や自治体が協力という形で賛同する場合が多くなります。

後援は物的にも金銭的にも支援はありません。あるのは名義を貸し出すことだけです。主催側としては名義を貸し出してもらうことでイベントのブランド力を高めるメリットが出てきます。ただし、後援する側はどんなイベントにも後援するわけではないので、主催側は企画段階から、そのイベントに社会的意義があるか、後援してもらいたい団体の方向性と合っているか等を意識すると良いでしょう。

以上、これら賛同を検討している団体と交渉をするときは、この3点の違いを丁寧に説明すると良いでしょう。自治体の場合は自治体のほうで定めている団体表記の定義がホームページに掲載されていることがあるので、参考にしてください。

▼その他

特別協賛、特別協力、特別後援という表記の「特別」という言葉には他の団体よりも大きく貢献していることと、それに対する主催者側の感謝の意が込めていることが多いです。

複数団体の中の一番というイメージが強いですが、中には1団体のみでも「特別」という言葉が用いられる場合もあります。

例えば、毎年開かれているプロ野球ドラフト会議。2020年の開催は主催が日本野球機構で特別協賛が大正製薬でした。ほかにも、特別協賛が複数存在することがあります。将棋の公式戦には8つのタイトルがありますが、そのうちの1つ叡王戦。こちらは2021年から日本将棋連盟と不二家が共催で開催し、特別協賛がレオス・キャピタルワークスとSBI証券となりました。

「特別」の使い方には様々なパターンがありますが、いずれにしてもその企業に対して深謝していることは明白です。

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3.責任の所在

イベントを開催する上で大きな心配となるのが責任です。先述しましたが、団体名の表記には責任の所在は誰かという意味が含まれています。

イベントで思わぬトラブル等が起きたとき、その責任を負うのは主催及び共催する団体です。協賛、協力、後援は責任を負いません。責任者には安全配慮義務というスタッフや来場者が安全でいられるための配慮をしなければいけない義務があります。最近で言えば、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために十分な換気、アルコール消毒、パーティション、非接触での応対等が求められています。このような対策を講じず、主催者側に不手際や落ち度があったと過失が認められた場合、責任者は民事上の賠償責任や刑事責任を問われることになります。

こうした補償が心配な方は、民間のイベント保険や最寄りの社会福祉協議会で行事保険に入っておくと良いでしょう。万が一のとき、補償してもらうことができます。

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4.まとめ

今回はイベントの「主催」「共催」等表記の違いについて説明をしました。表記の違いによって異なる点は責任と提供の有無です。この2点をポイントとして押さえておくと良いでしょう。

あなたが主催するイベントも、イベントの趣旨に賛同する団体を見つけることで金銭的・人的負担の軽減のみならず、より大規模で開催することが可能になります。

もし、あなたが大規模イベントを検討しているのであれば、企画や知恵を出し合って一緒にイベントを作り上げていく共催者、イベントとの親和性が高く、金銭的・物的支援が期待できる協賛者、イベントに必要な道具や人員等の支援をしてくれそうな協力者、イベントの権威を高めてくれる後援者というように、明確な基準を持って賛同者を探すと良いでしょう。

ただ、そのような団体を自力で調べたり、それぞれのプランを練るのにはコツと時間が必要となります。また、初めての場合はそういった団体にどのようにアプローチをし、交渉・契約をするか等、不安がつきまとうことでしょう。

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