来場者一人ひとりと接する時間が短い受付は、人員やコストをどの程度かければ良いかイメージが湧きにくいですよね。しかし、来場者との最初の接点となる受付は、イベント満足度を向上させるうえで、とても重要な部分となります。ここでは受付の重要性や役割、手配の仕方等についてご紹介します。
1.イベントでの受付が必要な理由
受付の役割について運用面とおもてなし面の2つの観点から説明します。
運用面では来場者の入場手続きを行うだけでなく、人の移動をスムーズにする役割があります。資料の配布やクロークへの案内などを速やかに行うことで、来場者が迷わず動ける状態を作ります。
入場がスムーズだと来場者は「どのブースを見に行こうかな」「この講演、気になるな」など、イベントの内容に集中する余裕が生まれます。反対に、入場時のストレスが多いと、その後のイベントを十分に楽しめなくなる可能性があります。このようなことを防ぐためにも快適な受付を用意したいところです。
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続いて、おもてなし面です。受付には、来場者からの問い合わせを受ける窓口の役割もあります。例えば、あなたが来場者だとして、来場時に何かを確認したいとき、誰に質問するでしょうか。恐らく多くの方は受付時に目の前にいる受付スタッフに直接尋ねるでしょう。受付は来場者がイベントスタッフと初めて会話を交わす場になるため、スタッフの印象がイベント全体の第一印象となりやすいです。
イベントとは少し異なりますが、例えば東京ディズニーリゾートは、受付からキャストの笑顔と丁寧な接客で世界観を作り上げていることで有名です。想像を上回る声掛けやパフォーマンスがあれば来場者は感動や喜びを感じ、イベントに対して期待を膨らませることでしょう。
受付の対応はイベントの内容と同じく、来場者の印象を左右する場であり、来場者の満足度等に反映される部分です。来場者の属性に合わせた受付の設計を心掛けましょう。
2.イベント受付の主な業務
イベントで求められる受付とは、一体どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、よくあるイベントでの受付業務をご紹介します。
▼受付業務
受付スタッフは来場者が来たら事前登録の有無や参加料の支払いが済んでいるかなど、イベントに合わせた受付業務を行います。場合によっては受付で集金する場合もあるでしょうし、披露宴のようにお祝い金の受け取りがある場合もあります。
例えば、紙のリストから氏名を照合する方法は、来場者と受付スタッフが対話をする時間を長く確保できるというメリットがあります。しかし、対話しながらの作業は見落としや確認不足といった人的ミスが生じやすいです。もし来場者がスマートフォンのアプリなどに慣れている世代なら、受付アプリを導入すると良いでしょう。
QRコードやバーコードなどを読み取るだけで受付が完了しますので、受付スタッフは配布物(パンフレットや商品のサンプル、アンケート用紙等の配布物)を手渡すだけになるので、余裕をもって来場者との対話に専念することができます。
▼その他各種対応
来場者からの様々な問い合わせに的確に対応するスキルが受付スタッフには求められます。そのため、少人数で行う場合は受付スタッフの練度が鍵となります。熟練の受付スタッフの確保が難しい場合はQR コードなどのツールをうまく活用したり受付スタッフを外部のプロを手配するなどして運営上のリスクや負担を減らすのが良いでしょう。
Event Bundleでは熟練の受付スタッフを手配するサービスも行っていますので、お困りの際はご相談ください。
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また、会場内外の設備などの位置情報はよく聞かれることの1つです。荷物を預けるクローク、トイレや喫煙所、最寄りの飲食店等は事前に下調べをしてスタッフに共有しましょう。もしくは下調べした紙を配布物とともに同封することや大きく印刷して会場内に貼っておくのも良いでしょう。
入場エリアは事前の登録や支払いが完了している来場者とその他の来場者を分けましょう。再入場や当日参加を希望する人の手続きには時間を要します。登壇者や面会の約束がある来場者は表にまとめておき、すぐに担当者と連絡が取れるようにしましょう。受付アプリの中にはQRコードの読み取りとともにSMS(ショートメッセージサービス)が担当者のスマートフォンに届く便利な機能を備えているものもあります。
3.イベントサイズごとの適切な受付スタッフの人数
受付スタッフを手配する場合、何人いれば来場者を待たせずに対応できるかご存知でしょうか。おおよその予測で人数を決めてしまうと、予想以上に混雑してしまい参加者からクレームを受けたり、逆に受付スタッフが余ってしまうことになるかもしれません。
これらを防ぐために、事前に工数計算を行い何人の受付スタッフがいれば目標時間内で受付を回すことができるのか計算してみましょう。計算式に必要なのは「1.来場者の人数」、「2.スタッフ1人が来場者1人の対応に要する時間」、「3.受付にかける目標時間」です。
▼イベント例
- 来場者の数:300人
- スタッフ1人が来場者1人の対応に要する時間:20秒(受付と資料の配布を想定)
- 受付にかける目標時間:20分(開会20分前に来場者が集中する想定)
スタッフ1人で来場者300人を対応するのにかかる時間は300人×20秒=6000秒=100分、これを20分で対応するには、100÷20=5人必要だと見積もれます。また、来場者のパスカードにQRコードなどを印刷する場合は、印刷時間がパスカード1枚につき20秒程度が掛かります。受付フローの中で印刷時間も含め、来場者を極力待たせずに1人対応するのにかかる時間を試算しましょう。
4.受付スタッフの手配方法
一般的に受付スタッフは、自社の社員で賄うか、イベント運営会社やイベント系の人材派遣会社を介して手配することが多いでしょう。自社の社員で賄う場合でも人材派遣会社に依頼する場合でも共通しているのは「現場の経験が豊富」かどうか、「適正があるか」等を意識して選定することです。
加えて、人材派遣会社の場合は「イベント前日でも人材の確保が可能」等、各会社が持つ強みがありますので、イベント主催者側の求める条件が一致しているところを選ぶこともコツのひとつです。また、イベント開催日、必要人数、会場名、集合・解散時間、予算等の基本項目に加えて、求める受付の経験値も伝えると良いでしょう。
多くの会社はイベント数日前の申し込みでも受付スタッフの手配が可能です。しかし「イベントの現場を熟知している人」や「英語を流暢に話せる人」といった専門性の高い人は単価が高い案件や得意先の案件に優先的に回されるため、直前の申し込みでの獲得は難しいです。質の高い受付スタッフを確保したい場合、受付の詳細が決まったら速やかに手配することを留意しましょう。
ところで、あなたは運営ディレクターという役割があるのをご存じですか。運営ディレクターとは受付スタッフが的確に動けるようにフォローする人のことです。
例えば、あなたが友人の結婚式で受付を任された場合を想像してみましょう。当日、会場入りしたあなたは誰から説明を受けるでしょうか。新郎新婦から説明される場合もあれば、会場のスタッフから説明を受ける場合もあります。この会場のスタッフのように説明をする役割を担っているのが、イベントにおける運営ディレクターです。
もちろん、運営ディレクターの役割は受付の監督・サポートのみならず、会場全体や来場者の誘導等も含みます。イベント主催者側で運営ディレクターを用意できない場合はEvent Bundleでも手配を行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。
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5.イベント受付スタッフへ事前に伝えるべきこと・準備すべきこと
最後は、受付スタッフが自信を持って本番に臨むために必要なことについて2点ご紹介します。
1つ目は集合場所、集合時間、持ち物、イベント当日のスケジュール、服装といった連絡事項を具体的に伝えることです。特に、服装は受付スタッフが悩みやすいことの1つです。スーツの着用が一般的ですが、オフィスカジュアルでもOKであればその旨を伝えましょう。イメージとなる写真や画像を添付できれば、よりイメージが湧きやすくなるでしょう。イベント主催者側は連絡事項をわかりやすく伝える工夫が大切です。
2つ目はQRコードの読み取り方や会場内外の位置情報等、暗記に時間を要する共有事項はイベント前に資料(運営マニュアル)を提示しておくことです。イベント当日、受付スタッフは限られた時間の中で受付の業務を覚えて本番に臨みますが、どうしても忘れてしまうことがあります。ですが、暗記に要する時間を確保できていれば失念して焦るような事態を最小限に抑えることができます。
また、共有事項が頭に入った状態でイベント当日を迎えることができれば、会場に行かないとわからないことや、その他細部の確認を中心に話し合うことができるようになります。
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ここまでイベント受付についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。受付の手配については主催者側の都合や予算を優先しがちですが、そうではなく、来場者の人物像やイベント全体の体験を考えたときに、どのような受付が好ましいかという視点を意識することが大切になります。
なるべく人と触れず素早く安全に済ませることが好ましいのか、Instagramに載せたくなるようなSNS映えする体験が好ましいのかなど、来場者の人物像を分析してニーズに応えられる受付を用意することがイベント満足度向上の鍵です。
そうはいっても、今までご紹介してきた内容を網羅した受付を自力で実現するのは難しいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときはEvent Bundleにご相談ください。
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