1.イベントボランティアの募集方法
ボランティアを募集する手段は数多くありますが、ここでは主な4つをご紹介したいと思います。
まず、ボランティア募集サイトへ掲載するという手段です。
アクティボという全国のボランティア募集情報を掲載しているサイトや自治体や大学等のボランティアセンターから募集できます。
ただし、募集サイトごとに募集情報を掲載する手間がかかるのがデメリットです。
次に、幅広い年代層が使っているTwitter、Instagram、Facebook等のSNSに投稿する手段です。
SNSへの投稿は、拡散力によっては潜在的なボランティア候補者に数多くアプローチできることがメリットです。
ただし、フォロワーが少ないと投稿の拡散力が弱く潜在的な候補者に投稿が届きにくいのがデメリットです。
対策としてはハッシュタグをつけたり「拡散希望」と書いたりしたうえで投稿することや知人、インフルエンサーに投稿依頼することを視野に入れましょう。
そして、親戚や友達に協力してもらえる場合は、初対面の人からの紹介よりも信頼性が高いことがメリットです。ただし、依頼される知人にもボランティアを探す時間や調整等、手間や負担を要しますので、もしボランティアが見つかった場合は、きちんとお礼をするなどのフォローを忘れずに行いましょう。
次に、募集チラシの配布をする手段です。
募集チラシはイベントの関係先や店頭、地域のコミュニティー等、ある程度ターゲットを絞って呼びかけることができます。
インターネット上での募集では興味があっても遠方で来られない、インターネットを普段使わない方(高齢者等)の募集には向かないデメリットがありますが、チラシの配布はそういったハードルを軽減することが期待できます。
ただし、チラシの作成や掲出などに手間がかかることや、印刷に費用がかかることに留意しましょう。
■関連記事:イベントの効果的な集客方法|集客の準備からアイディア・事例を紹介
2.イベントボランティアを募集する際に気をつけること
ボランティアを募集する際はボランティアをする側の目線に立った上で、募集要項やメッセージを作成していきましょう。
▼ボランティア参加価値
特に目線として大事なのが、あなたのイベントにボランティアとして参加する参加価値です。
参加価値とは、例えば以下のようなことが挙げられます。
・イベント自体に無料で関われる価値
普段は参加費のかかる有料イベントにスタッフとして無料で参加できることに価値を感じる人もいます。
例えば、有名アーティストのライブなど無料で同じ空間にいられるだけでなく、ファンであれば運営側として関わっていることに喜びを感じる人もいることでしょう。
あなたのイベントにこのような特徴がある場合は、そのことを募集メッセージに盛り込むことでボランティアが集まりやすくなります。
・自分のスキルを生かせる価値
仕事など、今までに培ったスキルや知識を社会に役立てることに価値を感じる人もいます。
例えば、本業でSNSの運用をしている人がNGO団体のSNS運用を手伝うことで仕事以外の場でも自分のスキルが活かせたり、新たな経験を積むことができることに価値を感じる方もいます。
また、仕事を引退した方でも今までの経験が社会に役立てばという考えを持って応募する方もいらっしゃいます。
補足ですが、このような自分のスキルを活かすことを目的に参加するボランティアをプロボノと呼ぶことがあります。
無償で活動するという点は一般的なボランティアと同じですが、その人が持つスキルや知識がボランティアの活動内容に大きく影響するか否かが一般的なボランティアとの違いです。
▼募集要項・募集内容
ボランティアをする側がイベントに興味を持ったあとに気になるのが当日の待遇や活動イメージです。
これらを募集要項・募集内容の詳細に記載すればするほどボランティアは活動イメージがつくので、応募までの意思決定がスムーズになります。
募集内容には活動内容、休憩や1日の拘束時間等の活動時間、活動場所はもちろんのこと、交通費やお弁当支給の有無、ボランティア保険への加入等の待遇面も記載しましょう。
※ボランティア保険とは、ボランティアが怪我をしたときなどに備えた保険のことです。
▼求める人物像
求める人物像の提示は最も重要な部分です。
ボランティアを募集する際には、つい「良い人が来ればいいな」と考えがちですが、この「良い人」というのは人によって感じ方がまちまちです。
ここを明確に言語化することによって主催者側でも良い人が定義され、選考もスムーズに実施できるほか、応募する側にとっても自分が活躍できるイベントなのかが分かることで応募するべきかの判断をすることができるようになります。
実は、ボランティアがうまく機能しない原因の1つに、主催者側のボランティアの人選ミスがあります。
イベントに合わない人まで闇雲にボランティアとして受け入れてしまうとイベントがうまく機能しなくなったり、イベント全体が失敗に終わってしまうリスクがあります。
「人件費が浮くから」という安易な気持ちでボランティアを募集し、採用しないように気をつけましょう。
■関連記事:イベント運営の徹底解説|運営マニュアル、ノウハウ、コツ、役割分担
3.イベントボランティアへの対応方法
ボランティアを採用してイベントを行った主催者からは「ボランティアを動かすのが大変だった」とマネジメントに悩んだ声を聞くことがあります。
ボランティアの方が、主催者の考えるように動かない原因とその対策は、以下のようなものが挙げられます。
・知識、スキル不足
事前知識やスキルが不足していることによって動けていない可能性があります。
対策として、前提となる知識や使うスキルを事前研修で伝え、イベント当日も経験者や責任者がフォローする体制を作ることである程度解消できるでしょう。
・ボランティア同士のコミュニケーション不足
コミュニケーションが不足していると仕事が被ってしまうことやミスも発生しやすくなります。
対策として、主催者側のスタッフから積極的な声掛けをするなどしてフォローする体制を作っておきましょう。
・モチベーションの低下
モチベーションが低下していると動きも悪くなります。
対策としては、ボランティアする側が応募時に期待した参加価値や保有スキルと作業内容が一致するよう配置を調整することが挙げられます。
また、これは当たり前のことではありますが、ボランティアには感謝の気持ちを言葉にして伝えましょう。
自分の作業が誰かの役に立っていると感じられることがボランティアのモチベーション維持につながると同時に、マネジメント成功にもつながります。
4.イベントボランティアのメリットとデメリット
イベントボランティアにおけるメリットは、やはり人件費を抑えられることでしょう。
運営スタッフをアルバイトなどで雇う際や派遣会社に依頼する際は日給・時給の発生や外注費がかかります。
発生する費用の比較もしてみましたので、参考までに下記ご参照ください。
【美術イベントの場合(1人あたりの費用計算)】
作業内容:グッズ販売やチケットもぎり、会場の案内、会場の設営・運営、販売支援、警備等
・派遣アルバイトスタッフの1日あたり費用
1万1600円
(内訳:時給1200円×8時間=9600円、昼食代1000円、交通費1000円)
・ボランティアスタッフの1日あたり費用
2000円
(内訳:昼食代1000円、交通費1000円)
このように、ボランティアスタッフの活用は人件費を抑えられるメリットがある一方でデメリットもあります。
例えば、当日欠員が出る可能性があることです。
欠員はボランティアに限らずアルバイトスタッフ等でもよくある話ですが、興味本位で応募した人はイベントまでに気が変わってしまい欠席するというリスクがあります。
これはボランティアスタッフ特有のもので、参加へのコミットメント具合にバラつきがある分、コントロールしにくい部分でもあります。
このようなリスクを回避するには、イベントへ参加することのコミットをしてもらうために、イベント開催前に運営側とボランティアが顔を合わせる事前研修や相談会といった交流を設けることが有効な解決策の1つとなります。
その他のデメリットとしては、活動に対して受動的な姿勢や注意力が散漫している様子が見受けられる場合があることです。
例えば、ボランティア活動を単位認定している学校の学生が単位取得以外の参加価値を見出せていないケースがあります。その場合、単位を取得することが目的となっていますので、期待する動きをしれくれないこともあるでしょう。
そもそも、こういった学生を採用しないようにするにこしたことはないのですが、採用してしまった場合はイベント運営側が学生の参加価値を見出せるようサポートをすることが有効な解決策の1つになります。
ボランティアスタッフのマネジメントが難しいのは、ボランティアに応募してくる人のモチベーションやスキルにバラつきがあることや必ずしも自発的で信頼性の高い人材とは限らないからというのが要因でしょう。
もし、ボランティアスタッフの中で活躍している人材を見つけたら、その人は大変貴重な存在だと認識し、次回も参加頂けるようにコミュニケーションをとっておきましょう。
■関連記事:イベント運営の徹底解説|運営マニュアル、ノウハウ・コツ、役割分担
今回はイベントボランティアの募集方法と対応の仕方についてご紹介しました。
ボランティアは人手不足や資金不足を解消する選択肢の1つではあります。
しかし、ボランティアの採用やマネジメントは大変難しいものがありますので、もし、あなたが予定しているイベントにおいて重要な関係者が多く列席する、失敗したくない重要なイベントであるならば、イベントに精通したスタッフの派遣を外注するほうが運営上、安全でしょう。
そもそも、イベントスタッフの派遣を行っている会社は大きく2種類存在します。
それはイベントスタッフ派遣会社とイベント運営会社です。
スタッフ派遣会社の場合、イベントに詳しくない、またはイベントが初めてであるアルバイトスタッフが派遣されてくる可能性が十分にあります。簡単な作業で人員が多く必要な場合に適します。
それに対し、運営会社はイベント運営を生業としているスタッフを中心に構成されているため、イベント運営に精通した経験値の高いスタッフの派遣が可能です。
展示会などビジネス系のイベントやセミナーなど、運営スタッフの質が求められる場合に適します。
また、実働部隊のスタッフを束ねるアシスタントディレクター(AD)やADを束ねるディレクター(D)といった役職があり、実働部隊のスタッフの経験値や能力が高いだけでなく、ディレクターやアシスタントディレクターの経験値や判断力が高く、スタッフ間での意思疎通のできる機能するチームの構成が可能です。
Event Bundleではイベントに精通したスタッフの派遣をはじめ、こうしたボランティアの統括ができるディレクターやアシスタントディレクターなどの専門スタッフ等、ご要望やイベント規模に応じてスキルの高い人材を派遣しております。
もし、イベント運営に関するご不安や不明点、スタッフの派遣に関するお悩みがある方は下記の詳細をご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。
▼詳細はこちら(イベントスタッフ派遣)