昨今、新たな採用活動の形として、オンライン会社説明会を開催する企業が増えています。
物理的な距離が縮まり地方との格差がなくなった一方で、オンラインで開催するにはそれなりのハードルを感じる方も多くいらっしゃると思います。
そこで、ここでは基本的なオンライン会社説明会の開催方法とオンライン会社説明会のメリット、デメリットについてご紹介します。
1.オンライン会社説明会の開催方法
オンライン会社説明会は「オンライン」という言葉がついているようにインターネットを介して行います。そのため、オンラインで配信するために必要なツールをそろえたり操作に慣れたりすることが、従来のリアルで開催する説明会とは大きく違う点です。
1-1.必要なものを準備
基本的に必要なものは、以下のとおりです。
・インターネット環境
Wi-Fiだと電磁波等の影響により通信障害が起きる恐れがあります。
可能であれば、光回線を利用した有線LANを使用することをオススメします。光回線であれば安定かつ通信制限がかかることも少ないでしょう。
・PC
配信に欠かせないのがPCです。
最低でもCPUはデュアルコア2Ghz以上(Core i5)、内蔵メモリは8GB以上、ストレージはSSD256GB以上を搭載するPCを準備することが好ましいです。
また、配信に必要なカメラとマイクが内蔵されていれば尚便利です。
・オンライン配信ツール
会社説明会を配信する際に使用します。詳細は後述します。
上記が揃っていれば、最低限の配信は可能となります。
しかし、さらにワンランク上の配信を目指す方は、以下も検討してみてください。
・照明
照明を活用することで視聴者に好印象を与えることが出来ます。
さまざまな照明がありますが、リングライトを用いればその効果は高まります。
仮に天井照明だけで撮影をすると、顔の下半分が影になり暗くなってしまうことがありますが、リングライトを使えば、上下左右から光を当てるので顔に影ができにくいです。会社の印象を左右する部分でもありますので、準備しておくと良いでしょう。
・三脚、スタンド
ノートPCの内蔵カメラを用いる場合、どうしても目線が下に向いてしまいがちです。
そこで、三脚やスタンドを使い、目線とPC内蔵カメラの位置を平行にすると、自然と良い姿勢をキープでき、好印象につながります。
・カメラ
画質をより良いものにしたい場合は、HDMI出力のあるビデオカメラがオススメです。
視聴者にクリアな動画を届けることができるので好印象につながります。
ビデオカメラを用いる場合はHDMIスルー機能のあるものが理想的です。なぜなら、この機能がなければバッテリー残量や撮影枚数等の情報がそのまま出力されてしまうからです。
また、ビデオカメラからPCへ直接動画を送ることができないため、HDMIをUSBに変換するビデオキャプチャーデバイスの用意が必須となります。
・マイク
PC内蔵のものだと周囲の音まで拾いやすいという懸念があります。
そこで準備しておきたいのが、ヘッドセットやピンマイクです。これらを使えば話し手の声をクリアに拾うことができ、ストレスなく視聴をすることが可能となります。
・OBS Studio
よりハイクオリティな配信を実現したい方にオススメなのが、OBS Studio等のソフトウェアです。
配信ツールと連携して使用することで、会社のロゴやスライドの内容を話し手の画面と一緒に表示することが可能になります。
1-2.オンライン配信ツールを決める
オンライン会社説明会の配信で使用するツールはZoom、Microsoft Teams、Google Meet、Cisco Webexといったものがよく使われています。しかし、どのツールが最適かは、オンライン説明会を開催するうえで何を重視するかで変わってきます。
例えば、一度の開催に招待する参加人数。少人数であれば無償版で使えるツールもありますが、大規模になると有償版を申し込む必要があります。
有償版を使用する場合、予算面に合わせてツール選定をする必要があります。先ほど紹介したツールの無償版の場合、Zoomは100名(ただし40分まで)、Microsoft Teamsは300名、Google Meetは100名、Cisco Webexは100名(ただし50分まで)参加できます。
ほかには、アンケート機能やチャット機能といったオンライン説明会に必要な機能を求める場合は有償版にする必要があります。
一度使い始めたツールを途中で変更すると今までかけた手間と費用が無駄になる恐れがありますので、長期的な目線で各ツールの特徴と求める条件を照らし合わせ、納得するツールを選ぶようにしましょう。
■関連記事:【初心者必見!】オンラインイベントなどでの、オンライン配信のやり方や注意点をご紹介
1-3.実際に配信ツールでテストする
準備段階で最も重要なことは、徹底的にリハーサルを行うことです。準備をして臨んだつもりでもテストをするたびに新たな課題や改善点が出てくることはよくあります。
特に、配信ツールは慣れていなければ適切なタイミングでスムーズに操作することが難しいという声をよく聞きます。
そのため、準備段階の早期からテストを重ねて会社説明会の完成度を高めていきましょう。
1-4.オンライン説明会に必要な資料の配布
会社資料や配信ツールの操作方法等、事前に目を通してほしい資料を配布しておくと当日の運営がスムーズになります。
資料はPDF化して送ることで誤って編集されたり、他に流用されてしまうリスクを防ぐことができます。
配布方法については、メールに添付して送る、Googleドライブ等に資料をアップロードし、そのダウンロードURLをメールで送るといった方法があります。
2.オンライン会社説明会のメリット
開催場所をオンライン上にすることは、オフラインでの開催とはまた違ったメリットがあります。
ここからはオンラインで開催するメリットを解説します。
2-1.準備に時間がかからない
オフラインでは参加者を収容する規模の会場を下見する、契約する、設営する、撤去するという手間がありました。
通常業務と並行しながら会場の準備もするのは大変だったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、オンラインでは準備も開催もPCで行いますので、オフラインと比較して時間的な面や体力的な面において負担を軽減することができます。
2-2.お金がかからない
会場が不要になることで会場のレンタル費、椅子や机といった備品の設営費、受付スタッフといった人件費まで様々なコストをカットできます。
一方、オンラインではPCやそれに関わる機材費が初期費用として発生します。
ただし、機材は数千円から数万円でそろえることが可能ですし、頻繁に利用しない場合はレンタルという選択肢もありますので、相対的にオフライン開催よりも費用を抑えられるといえます。
2-3.集客が見込める
オンライン会社説明会は、インターネット環境があれば誰でも気軽に参加できます。
その手軽さは参加に対するハードルを低くし、遠距離を理由に諦めていた地域の参加者まで対象範囲を広げることを可能としました。
そのため、今までは出会うことが難しかった候補者の方とも接点を持つことができるようになり、より採用の幅が広がりました。
ただし、手軽な分、参加率が下がることもありますので、申込者へのフォローは怠らないようにしましょう。
2-4.参加者データを管理しやすい
入退室時間をはじめアンケートや質疑応答のログ、どのデバイスやメディアからアクセスしたかといった参加者一人一人の行動がデータとなって可視化できます。
このことにより、より詳細に採用経路や候補者の行動を分析することが可能となり、自社が必要とする人材がどういった経路をたどるのか、どのような行動を取るのかが分かるようになり、その後の採用活動に活かすことができるようになります。
ただし、配信ツールによって管理できる行動データの内容は異なります。また、無償版では機能制限がかかっていることが多く、より詳細な情報を分析したい方は有償版を検討する必要があります。
2-5.感染症蔓延のリスクがない
オフラインによる会社説明会はいわゆる3密(密閉・密集・密接)を作りやすい環境になりやすいです。様々な感染症対策を講じたとしても少なからず感染のリスクを伴うため、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、オンラインならそのようなリスクを抱えることがないので、安心・安全に開催することができます。
3.オンライン会社説明会のデメリット
オンライン会社説明会には多くのメリットがある一方で、こんなデメリットもあります。
3-1.会社の雰囲気が伝わらない
株式会社学情が行ったアンケート調査「2022年卒学生の就職意識調査」によりますと、ウェブセミナーやウェブ面接で不安なことは「会社の雰囲気が分からない」が最多で64.2%となっています。
オフラインでは可能だった会社訪問や社員との交流会等の開催が難しい今、オンライン会社説明会で配信する映像での見せ方が重要です。
社内ツアーやインタビュー等のコンテンツ、司会役のリズムやテンポの良さ、さらには社員同士の会話のやり取りまで、様々な要素が会社の印象を左右するカギとなります。
3-2.インターネット環境がない人は参加できない
インターネット環境がない人や毎月の通信制限がある人が参加するためには、インターネット環境がある施設に行くことが必須となります。
しかし、インターネット環境を提供しているカフェなどの飲食店等からだと周囲の声が気になって集中しづらい、不安定な通信環境が理由で満足に参加できないといった不安要素があります。
そのため、推奨するインターネット環境を例示することや、最近では就活生向けのスペースを提供しているところもあるので、そのような場所もあるということを伝えておくと良いでしょう。
4.オンライン会社説明会の注意点
最後に、オンライン会社説明会を開催するにあたっての注意点をいくつかご紹介します。
4-1.インターネット環境を安定させる
一番気をつけたいことはインターネット環境です。
特に、企業側の接続不良は、参加者のモチベーションを下げることになります。
不安定なインターネット環境は配信する映像の質を下げるだけでなく、最悪の場合画面が固まったり、真っ暗になり何も見ることができないという事態にも陥ります。
有線LANケーブルを使用するのが有効ですが、Wi-Fiを使用する場合は携帯電話のテザリングを利用するのではなく、可能な限り光回線を経由したWi-Fiを利用する、PCの近くにルーターを設置するといった対策を講じるなどして、安定したインターネット環境を構築しましょう。
4-2.オンライン配信の事前確認
準備において最も重要なことは入念なリハーサルとお伝えしていますように、事前確認は怠らないことが大切です。
リハーサルをしてみて気付く改善点は、例えば、以下のようなことがあります。
・参加者の反応
オンライン会社説明会を終えた人の感想としてよく聞かれるのが、参加者の反応がわからないことへの不安です。
オフラインでは参加者の反応を見ながら話を進めることができましたが、オンラインではなかなか反応を見ることが難しくなります。
このような環境で長時間話を進めていると「参加者が今、どんな表情をしているのだろう」「ちゃんと話を理解できているのか心配」といった不安を感じることがあります。
そのため、話の途中で適宜、配信ツールの機能として存在するアンケート機能や挙手機能を用いて双方向のコミュニケーションをするよう意識しましょう。
・端末ごとの見え方
主催者はPCで配信することが多いため、PCからの見え方は多くの方が意識するポイントでしょう。しかし、参加者側はPC以外にもスマートフォンやタブレット等の端末から視聴することが想定されます。
そのため、資料の見え方等それぞれの端末からの見え方にも注意して準備しましょう。
・音声
準備段階で見落としがちなのが、話し手以外の音です。紙の資料をめくる音、社内の電話やアナウンス、PCの通知音等、会社説明会中に聞こえる話し手以外の音は、参加者の意識をそらす要因となり得ます。
周囲の音まで拾いやすいPC付属のマイクよりもヘッドセットやピンマイクのほうが話し手の声をよりクリアに拾ってくれますので、検討することをオススメします。
また、配信中に動画を挟む場合、動画に切り替わったタイミングで音量が急に大きくなったり小さくなったりするのは参加者にストレスを与えることになります。
そのため、音量のバランスは取れているか事前に確認しておきましょう。
最後に、司会進行台本を準備することも検討しましょう。
司会進行台本を準備しておけば本番で迷うことがなくなるだけでなく、事前確認においても全体のスケジュール感やスタッフ一人ひとりの動きを理解することがしやすくなります。
■関連記事:【テンプレ付き】初めてでもできる司会進行の台本作成、イベントを成功させるためのポイントを紹介
5.オンライン会社説明会を成功させよう
今回は、会社説明会をオンラインで開催する方法についてご紹介しました。せっかく開催するのなら、参加者の応募にきちんとつながる会社説明会にしたいですよね。
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