新型コロナ渦で注目が集まる「バーチャル展示会」とは?バーチャル展示会のメリットやデメリットを徹底解説〜入門編

tenjikai 展示会

自社の商品・サービスを発信する新たな施策として、バーチャル展示会を開催する主催者が増えています。

ここではバーチャル展示会に興味を持ち始めた方に向けて、バーチャル展示会の概要やメリット・デメリットをご紹介します。

1.バーチャル展示会とは

バーチャル展示会とは仮想空間を用いた、奥行き、高さ、幅を感じられる立体的な空間で開かれるオンライン上の展示会です。上下左右の移動から近距離・遠距離の移動まで様々な視点から商品・サービスを見ることができます。

そのため、自動車や工作機械等の有形商材に有効的と言えます。

また、イベントによってはチャットや問い合わせフォームを用いてスタッフとやり取りすることも可能です。

オンラインでありながら実際の展示会に参加しているような臨場感を味わえることがバーチャル展示会の特徴です。

2.バーチャル展示会の例

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現地まで足を運ばなくても商品・サービスを見ることができるバーチャル展示会は、一体どのような場面で取り入れられているのでしょうか。

▼美術館

展示されている作品を、まるで現地にいるかのように360度の視点で鑑賞ができることはもちろんのこと、天井画のような肉眼ではわからない細部の装飾もズーム機能を使ってじっくりと鑑賞できるのがバーチャル美術館です。

従来は音声ガイドや解説パネルから作品情報を得ていましたが、バーチャルでは作品をクリックすると表示される写真、説明文、動画等のコンテンツから得る仕組みになっています。

サイト内にオンラインショップを設置すれば、来場者はより一層現地へ足を運んだ気分を味わえる一方、主催者は利益の向上が期待できます。

▼住宅

オンライン上で行う住宅の内覧は、バーチャルオープンハウスまたはバーチャルモデルハウスと呼ばれています。

従来の部屋の画像に加えて建物を立体的に作成した透視図も掲載されており、間取りの専有面積や畳数を空間的に伝えやすいことがポイントです。

また、CG技術を使って室内に様々な家具やインテリアを疑似的に配置できるVRホームステージングというものもあります。まっさらな空間に家具を置いたらどんな雰囲気になるのか、どれくらいのスペースが必要なのか、CGで再現することができます。

▼自動車

BtoBの展示会においてもバーチャル展示会が注目され始めています。

スズキ自動車が主催するバーチャル展示会「バーチャルオートサロン2021」では、従来の展示会会場をそっくりそのままバーチャル空間に再現したバーチャル展示会です。自動車等の写真を企業ブースに配置し、来場者は自由に閲覧ができるようになっています。

写真をクリックすれば自動車の詳細や映像を確認できる仕様となっているため、単なるオンラインイベントよりも臨場感があり楽しめます。

3.バーチャル展示会のメリット

バーチャル展示会が今、新たな施策として注目されているのはなぜでしょうか。ここではメリットをご紹介します。

▼コストの削減

オフラインの展示会では主催側となるか出展側となるかで異なりますが、いずれにしても膨大なコストがかかるものです。

主催側であれば、目指す展示会の規模に合わせた会場の確保にはじまり、運営スタッフや警備等人件費も数百万円~数千万円レベルでかかります。出展側であっても、出展費、装飾費、光熱費等を合わせると数十万円~1,000万円レベルでかかります。

しかし、バーチャル展示会であれば参加者がリアルな会場に訪れるわけではないので、人件費の削減だけでなく、チラシやパンフレット等の印刷物、ノベルティー等の配布物もデジタルにすることでコストの削減だけでなく在庫を抱えるというリスクの軽減にもつながります。

ただし、バーチャルのプラットフォームを準備したり、サーバーを強化したりと、オンラインならではの費用がかかってきます。

▼より多くの参加者を集めることができる

オフラインの展示会で参加に至らなかった人の背景には、仕事等のスケジュールの都合で移動も含めると行けなかった、遠方で訪れることが難しかった、当日体調が悪く外出できなかったなど、様々な要因が考えられます。

対して時間や場所の制約を受けないバーチャル展示会は、開催期間中ならば昼夜問わず好きなときに参加できるので集客数の向上や参加率を上げることにつながります。

▼参加者データの収集・分析がしやすい

バーチャル展示会では参加者が閲覧した商品・サービス、コンテンツの閲覧時間、ブース・セミナーの入退室履歴といった行動データを活用できます。

参加者データの収集・分析することは今までオフラインの展示会では表面化しなかった見込み顧客の発掘を容易にし、顧客ごとの迅速なアプローチを可能にします。

参加者の行動1つ1つがデータ化される機能は、バーチャル展示会ならではです。

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4.バーチャル展示会のデメリット

魅力満載のバーチャル展示会ですが、留意点がいくつかあります。

▼システム構築が大変

バーチャル展示会は、実施したい内容にもよりますが、大抵の場合システムの開発と構築費等がかかります。既にパッケージとして販売している企業もあるので、そういったサービスを使うのも手です。

バーチャル展示会で必要なシステムには、例えば以下のようなものがあります。

・360°画像ブース

会場や展示会の様子を360度カメラで撮影して作成します。イメージはGoogleストリートビューに近いです。

先述した美術館や住宅の例のように実在の場所の様子を360度見渡すことができるため、現地へ足を運ばなくても、まるでそこに自分がいるような感覚で展示会を体験することができます。

ただし、こちらは撮影する会場や展示会が既に存在していることが前提条件ですので注意が必要です。

・3DCGブース

オンライン上に会場を作ります。イメージは3Dゲームに近いです。参加者はアバターを動かして会場内を歩き回ることができます。

ブースに近づくと聞こえてくる声掛けやBGMは、オフラインの展示会を彷彿させる臨場感を演出しています。

360°画像ブースや3DCGブースは商品・サービスをクリックした際、画像や動画等の紹介コンテンツを表示させることが可能です。

気になった商品・サービスの情報をその場で得られる動線作りは魅力的である一方、新しい展示会に慣れていない参加者が操作方法に戸惑うことが予想されます。

そうならないためにも、操作方法を解説した資料や動画を用意し、初めての参加者も安心して楽しめる環境を整えておく必要があります。

・WEBブース

特設サイトにコンテンツを用意して、展示会を再現します。

こちらには会場内を見渡したり歩いたりするという3Dの要素は含まれません。一般的なWebページと同じレイアウトとなっているため、参加者は操作方法に戸惑うことなく展示会を楽しむことができます。

主に無形商材に親和性のある方法となります。

以上3種を解説しました。当然ではありますが、これらのシステムの準備には制作や構築に時間を要します。開催日の3か月~6か月前を目安に、早めに依頼することをオススメします。

▼安定したインターネット環境が必要

バーチャル展示会で必要となるのがインターネット環境です。

バーチャル展示会は様々なコンテンツを表示するため、データ通信量がかかります。参加者の中には毎月の通信量を意識している人もいる可能性があるため、事前に注意喚起をしましょう。

また、参加者側が混雑しているインターネット回線を使っているとコンテンツを読み込むスピードが遅くなります。画面の動きが遅い、固まるというストレスは早期離脱にもつながりやすいので、こちらも事前に注意喚起をすることをオススメします。

主催側はサーバー環境を整えておくことが重要です。主催側の対策不足で参加者が会場を見に行けないとなると、参加者の満足度を低下させるだけでなく出展企業と参加者のマッチングする機会を減らすことにもなります。

アクセス集中によるサーバーの負担過多やサーバーのパーツ劣化によるハードウェア障害の発生を未然に防ぐ対策として、予備サーバーやサーバーの負担を分散させるロードバランサー、アクセス集中時にサーバーを増やすオートスケールを設置・設定しておくと良いでしょう。

▼展示会の「空気感」を伝えにくい

オフラインの展示会においては、ブースの位置や装飾、人だかりや行列といった視界からの刺激が参加者をブース内へ引き込むきっかけとなっていました。

しかし、バーチャル展示会にはそのようなものが存在していないか、現状の技術では再現が難しいため、参加者は目当てのブースしか見に行かないことがほとんどです。

また、展示会には大きさや質感といった実物の雰囲気を伝えにくいのがデメリットとなります。有形商材の場合は、雰囲気を知りたい参加者も一定数含まれるので、可能であれば商材サンプルをレンタルする、プレゼントするといったような工夫を盛り込み魅力を伝えると良いでしょう。

▼PUSH型の営業ができない

バーチャル展示会の場合、出展側が能動的に参加者へ声掛けやパンフレットの配布を行うようなPUSH型の営業には向いていません。

参加者の中から顕在顧客・見込み顧客を探すPULL型の営業が中心となりますので、実施する際はこの点に留意して準備しましょう。

PULL型の営業では、例えば「3.バーチャル展示会のメリット」でお伝えした参加者の行動データを用いると良いでしょう。参加者の訪問回数やクリックの多さ、閲覧時間の長さからコンテンツごとの関心度を分析し、参加者に刺さる情報を提供して商品・サービスを訴求するなどすれば効果的です。

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5.バーチャル展示会を楽しもう

今回はバーチャル展示会のメリットやデメリットについて実例を交えながらご紹介しました。

ビジネスのあらゆる局面において急速にデジタル化が進み、2021年は本格的にデジタルトランスフォーメーション元年になるだろうといわれています。

バーチャル展示会が発展途上である今は、競合他社との差を広げる絶好のタイミングです。

今のうちにバーチャル展示会のノウハウや知見をため、今後に備えるべきでしょう。

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